medium is massage
Ins Kino!!! pt.1〜kanjyou〜


小惑星の衝突から地球を守るために集められた荒くれ男たち、その奮闘ぶりを描きき、”泣ける”映画として空前のヒットを飛ばした「アルマゲドン」。すでに見た方も多いと思うけど、絶え間ない音楽と共にユーモアたっぷりの金かかったハイテクCG映像がスクリーンを流れていく...そう、いわゆるハリウッド・ムーヴィー。昨年5月にロサンゼルスで行われた試写会では、豪快な笑いで会場が騒々しかったらしい。またヨーロッパの観客は、主役のブルース・ウィリスが涙を流すクライマックス・シーンで大爆笑したらしいぞ。

しかしどうだろ、超満員の日本の映画館。笑いどころか、前半から既にすすり泣きが聞こえているじゃなああああ!!!いいいい!!!(タイタニックも同じね)


コメディーの土壌が成熟していないとはいえ(僕はモンティーパイソンなんかのイギリスコメディー派。シュールなの好き。)、日本人は何故こうも"泣ける"映画に弱いんでしょうね。本当に作品に感動して泣いているのでしょうかねぇ?僕はなんか違う気がするんですけど...。つまり、映画を見ながらみなで泣くところを探して、そして泣けたことで納得してしまう...そんな風に映画と接してる気がするんですよ。おかしいです か?僕?どうも、映画館に「作品を観に行く」というよりも、作品を餌に「泣きに行く」といった印象を受けるんですよ。


別にそれが悪いこととはいってないし、こうなったらもはや映画ではなく、新しいエンターテイメントだったりするのかもしれないし。「映像を見て泣く娯楽」というか...ね。でもさ、それにしても日本の泣き映画シーンは尋常じゃないわけで、そこにはなんかしらの理由があると思ったんです。そんなわけを2つほど。


@「若者の感情体験不足」って大きいと思うんです。今の若い奴らって泣く機会が圧倒的に少ないからなんじゃないかなぁって。横浜フリューゲルスを支える心情と近いものあると思います。通常はごくありふれた日常の中で、人と直に接したりすることによってそういった感情体験って得られるんだろうけど、今はいろんなコミュニケーション手段の発達でそれが乏しくなってるじゃない?日増しにさ。

だから、映画という手っ取り早い「手段」を使って泣きに行くんですね、劇場に。


A「共同体感情」を求めているのかな...?ほら、最近の日本人は家庭でも社会でも一 人ひとりがばらばらでしょ?ところが映画を見に行くと、劇場という一つの空間の中で泣くという同じ感情を共有できる...と(クラブ...?)。もともと日本人は共同体感情 が好きな民族だし(僕はアーリア人種だけど)、かつての美空ひばりのコマ劇場公演もそうだった(と僕のおばあちゃんが言ってた)。

そんな失っていた感覚を呼び覚ましたのかもね。


以上得意の竜頭蛇尾フィニッシュですけど...どうですか、みなさん?

どんな理由で映画選んでます?

どんな風に映画と接してますか?

「クラブという一つの空間好きですか?」


PS: 首都移転パート.2へ行く前に早速違うテーマで徒然してる依然分裂気味のカズ →ですが...
Kazoo→
May 09 , 1999

▲Index